毎晩寝るのが怖くなる、 ”ドクンッ” という動悸。
”どん底の人生”から抜け出したきっかけとは?

動悸に襲われたのは63歳を迎えた頃。「バクバク、ドクンと激しい動悸で、心臓が飛び出て死ぬんじゃないかってほど。布団に入るのが怖かった」そう語るのは、東京都に住むK.Iさん(65)。

病院で何度も検査をするが原因不明。心電図も異常なし。家事も趣味も手につかないほど、心もカラダも動かず”人生どん底” に。

そんな人生から一遍、現在は趣味だったテニスも再開できるほど、体調が改善しているのだという。

「もう夢のよう!第2の人生楽しくて楽しくて!」辛かった過去を感じさせないほどハキハキ笑顔で語ってくれた。ここまで回復するまでに一体何があったのか。

今回は、ご本人に加え、当時を知るご主人にもお話を伺った。

”動悸”の恐怖で何もできず、心もカラダもボロボロに。

「ちょうど63歳の時かな?突然、心臓の具合が悪くなっちゃって。夜、布団に入ると運動もしてもいないのにドキドキがひどいし、時々”ドクンッ”ってくるわけですよ。何だろうと思って。
それが10分ぐらいで治まって「ようやく寝れる」と思うと、また”ドクンッ”って。
もう心臓が飛び出して、ホント死ぬんじゃないかなと思ったほど。だから怖くて寝れるわけなくて、不安になりながらソファに座って寝ることも。そんな症状が毎晩、ずっと続いて…」

毎晩、死との恐怖で眠れず。そんな悪循環が、家庭にまで影響していた。

「もうとにかく何もできないぐらいしんどかった。寝不足で起きるのも辛く、1日パジャマ姿で寝たきり状態。精神的にもふさぎ込んで家事もすることもできなかったので、主人に「お弁当買って食べてくれない?」と何度もお願いしたことも。私は1年くらい何も食べられなくて、体重が10キロ近く減っちゃってましたね」

当初、40代から続く不調や義父の介護に追われていたという。動悸が起きた時には、すでに心もカラダも衰退状態だった。

「47歳から更年期かなと思う不調が10年以上だらだら続いてたんです。旅先で急に鼻血が止まらなくなったり、めまいのせいで予定もキャンセルしがち。病院をあちこち回る日々で。
それに加えて義父の介護もしてた時だったので、さらに動悸が起こるなんて、もう自分の人生ドン底だなって。一人で泣いてましたね…」

動悸に苦しめられる辛さは、そばで見ていたご主人も当時は理解し得ないものだった。

ご主人「女房はどちらかというと心配性だから、私はポジティブに構えていようと思って心配はそこまでしてなかった。更年期の終わり頃なんでそれなんじゃないの?くらい。しかも、私自身ちょうど仕事が忙しい時期だったんで、あまり構ってあげられなかったんですよね」