心臓が突然”バクンッ”。命の危険を感じた1年。
そんな動悸から解放された意外な理由とは?

心臓の異変が起こったのは42歳の頃。「”ババババ…ドクッ”。もう心臓が止まりそうなほどの恐怖でした。」そう語るのは、東京都月島に住む鈴木光明さん(56)
病院を転々とするも原因不明。枕元には携帯を常備し、いつでも救急隊が呼べるようにしていたほど死の恐怖を感じていたという。
しかしそんな生活から一遍。現在は心臓を気にせず、趣味だったテニスやジョギングなど、思う存分体を動かせているという鈴木さん。
「好きなことをできるのは、健康なカラダがあってこそ。」これまでの不安を感じさせないほどまで回復した理由は、一体何だったのか。
今回は、ご本人に当時の状況を振り返って頂いた。
「飲みすぎだね」の診断に
納得できず。
学生時代から体育会系で、趣味のテニスはコーチングできるほどの腕前。さらに31歳には、地元月島でもんじゃ焼きのお店を立ち上げたという鈴木さん。
順風満帆に過ごしてきた鈴木さんだが、42歳のある日、心臓に悲劇が起こったのだ。

ちょうど42歳のお正月でしたね。ごはんを食べてる時に、突然心臓が”ババババ…”と細かく振動して、体が動いている時も”バクッ”とくる感覚があったんです。
「あれ、なんか調子悪いな~」って思ったけど、お正月で病院もやってないから、とりあえず市販薬を飲んで。
でもまったく治まらず、寝るときにも毎回細かい振動がきて、「どっち向いて寝れば収まるんだ…?そのままバタンって逝っちゃうんじゃないか?」というほど不安な状態が3日間も続いていました。
正月明けようやく病院に行けたもの、まさかの原因不明。納得いかず病院を転々とすることに。
病院行っても「病名わかんないなー」とか「飲みすぎじゃないか」って異常なしのカテゴリーにされちゃって、自分としては違うんだけどな…本人はもっと苦しんでるんだよ…って。
24時間のモニター検査をしたとき、ようやく「不整脈と心房細動」と診断されたんです。でも『若いんだし、薬飲んだら大丈夫でしょう』くらいの感じだったんですよ。案の定3~4か月経っても治ることはなくて。
何が理由で起こるのか原因不明だったから、病院の診断もいつも納得できなかったんです…。
いつでも救急車を呼べるよう、
枕元に携帯。
心臓の「バクバクッ」という違和感が多かったのは、寝ている時や横になっている時だった。

運動している時にバクバクするなら分かるけど、何もしていないときに心臓が激しく動くんですよ。「いつ心臓が止まるかわからない…」そうおもうと寝るのが怖くて。枕元に携帯を置き、いつでも救急隊が入れるよう家の鍵を開けていましたね。
とにかく一人でいることに不安があったから、もんじゃの営業中はまだ安心感があったけど、外出した時は、いつ倒れてもいいように、人混みが多いところを選んだり、AED(自動体外式除細動器)の看板を確認する。そんな生活でした。
さらには趣味の運動まで制限がかかり、楽しみさえ奪われるような生活が続いていた。
運動中にも起こりましたよ。自分でもびっくりしちゃうほど心臓の動きが激しくて、長い時は「ババババ」って10~20秒くらい。治まった~!と思っても、すぐ「ドクン」ってなって。
テニスも、自分の周辺に飛んできたボールは返せるけど、少しでも遠いと恐々と動くような感じで。でも目に見えないから、周りはそれほど心配もしてくれないんですよね。「大丈夫すか」って軽く言われるくらい。

普段から運動をしていたから、体は丈夫と自信があった鈴木さんにとって、ここまで動けないことにショックを隠せなかった。
自分としては心臓だったんで、起こるたびにそのままバタンって逝っちゃうんじゃないかって…趣味も全力でできないほど、恐怖との闘いでした。