【片頭痛】閃輝暗点、激しい頭痛、吐き気。
諦めてた片頭痛「痛くなりそうな感覚すらなくて驚き」

樫村八千代さん(34歳)

27歳のある日から、2日に1回もの片頭痛に悩まされてきたという樫村さん。

仕事、家事、育児とハードな生活につきまとう片頭痛は、彼女を精神的にも追い込んでいった。

しかし現在では「10あった悩みがゼロ!最後に頭痛の記録つけたのいつだっけ?」と笑顔でメモを見せてくれた彼女。

同じように悩んでいる方にも伝わればと、快く取材を受けてくれた。

動けなくなるほどの激痛。
もしや脳の病気?

片頭痛に悩み始めたのは27歳。仕事が繁忙期にさしかかり、PCの作業も増えていたある日のこと。電車での通勤中に、突然悲劇が起こったのだ。

「電車内で携帯見てたんですよね。そしたら部分的に光って見えて、携帯壊れた?!って。」

「最初は左目だけだったけど、次第に視界全体がギラギラって夕方の海みたいな、なみなみのギラギラが広がってきたんですよ。」

見たこともない現象が目の前で起こり、次第に視界のギラギラに加え激しい頭痛、吐き気まで。さすがに電車内で吐くわけにはいかない、とすぐに電車を降りたのだそう。

「もう動けなくて苦しくて。40分経っても収まらず、ぐったり座り込んでましたね。今なら話せる!というタイミングで、ようやく職場の人に連絡できて。駅まで迎えにきてもらいました。吐き気がおさまって、頭痛がなくなるまでに4時間くらいかかったかな・・・? そのあと仕事に戻ったけど、休み休みでやる感じで…」

「障害者の就労施設で仕事をしているから、脳梗塞で半身まひの人も勤めているんです。だから、もしかすると自分もその前兆じゃないか・・・どうしよう・・・くるかもしれない・・・ってものすごく怖かったです。」

予兆もなく、いきなりの出来事だったためその後は毎日毎日不安で仕方なかった樫村さん。

「実はその1か月後、2度目のギラギラがきたんです。さすがにこれはやばいと思って脳神経外科に。診察の結果は『閃輝暗点(せんきあんてん)』でした。さらには「片頭痛」だねって診断まで。」

「そこからは、発作止めで処方されたトリプタンっていう薬のおかげで閃輝暗点の悩みは消えたんですけど、片頭痛の悩みは消えるどころかどんどんひどくなっていって…」

「頭痛のときは光を見るのが本当に苦痛でした。仕事で使うパソコンはブルーライトカット対応をしても、画面を暗くしても見るのがつらかった。吐き気を伴う痛みもあって、退職を考えたこともありましたね。」

妊娠、出産でのカラダの変化。

2人のお子さんを出産している樫村さん。女性は妊娠・出産時で体質に変化が起こりやすいというが、樫村さんもその変化を感じたひとり。

「実は、1人目の妊娠中だけ片頭痛がピタリと起きなくなったんです。産婦人科の先生によると、妊娠時に片頭痛が起こる人もいるけど、稀に血液が子宮のほうにいくので、頭に巡りすぎて痛いということがなくなる場合もあるらしくて。」

と安心していたのも束の間、1人目を出産したとたん、片頭痛人生、最大の悩みがきたのである。

「閃輝暗点の発作はないけど、このときから天気にすごい左右されるようになっちゃって。薬を飲んでもダメか!ってなるときも全然ありました。北海道の爆弾低気圧のときはひどい」

片頭痛の影響は家庭でも・・・。

「どんなにひどくても、家事、育児、仕事の生活。夫が帰ってくるまでは耐えます。夫も天気が悪いと、そうだろうなって思って帰ってくる感じ。」

「テレビは子守り代わりですよね。『本当にごめん、今できない』って子どもに言って。家事は本当に最低限しかできなくて。」

頭痛が起こっているときは、トイレ以外何もできない・・・という状態。旦那さんにも夕飯はどこかで食べて帰ってきてほしいと思うほどしんどかったという。

「子どもが生まれる前までは「すいません、無理でした」って全部夫に丸投げしていました」

「主人だけでなく職場の方も気にかけてくれていて本当に有難いと思ってました。でも親族も誰一人として片頭痛持ちがいないので、なんで私だけ?と疑問には思ってますね」