【原因不明の不整脈を経験】
健康で好きなことを全力でできるって幸せなことですね。

東京月島でもんじゃ焼きのお店「みっちゃき」を経営する、4代目店主の鈴木光明さん(57)。

スポーツが得意で、お店を切り盛りする傍ら趣味のテニスにサイクリング、今年は地元のお祭りの副会長を務めるなど、活動的な毎日を送っている


しかし42歳のときに突如、原因不明の不整脈に襲われ、健康だった毎日は一変。


常に心臓の不安を抱える生活に疲れ、塞ぎ込んでいた彼だったが、あるとき希望を与える出来事が訪れる。


今では不整脈の恐怖も乗り越え、新しく立て替えたばかりのお店で毎日多くのお客さんを迎えているという。元気に月島の地を支える鈴木さんに当時の体験を詳しく伺った。

※2023年7月23日取材

┃忘れもしない、恐怖の出来事だった。

42歳の頃のお正月でした。ごはんを食べてる時に、突然心臓が”ババババ…”と細かく振動して、体が動いている時も ”バクッ”とくる感覚があったんです。

「あれ?おかしいな。」と思ったんですけど、年末からかなりお酒を飲んでいたので、飲みすぎちゃったかな? くらいで気にせず寝てしまいました。

翌朝にはそんなこともすっかり忘れて、お店の準備をしたんですけど、営業中にまた心臓が突然バクバクバクッってなったんです。

その後も3日、4日と立て続けに起こるようになって…。さすがにこれはおかしいと思って病院に行きました。

┃「飲み過ぎだね」の診断に納得できず。

最初に近くの病院でみてもらった時は、特に体に異常はないと言われたんです。 医師からもストレスじゃないかとか、飲み過ぎなんじゃないかと言われましたね。

不安だったので、今度は循環器内科に行って24時間のホルター心電図の検査をしました。

その結果、「不整脈」「心房細動」が出てると診断されたんです。しかし、そこでも原因はわかりませんでした。

その後も大きな病院で詳しい検査を受けたりしたんですけど、結局原因はわからないままでした…。

┃原因不明の治まらない症状

不整脈はひどいときは、ほぼ毎日来ていたので、お店の営業中も症状が出ました。

店の端のお客さんから見えないところにうずくまって、お店は他の従業員に任せて治まるまでじっとしてました。

一度起こると長い時は1分くらい心臓が細かくパクパクパクッと早く脈打って、急にバクン!って止まる感じがするんです。
多い時にはそれが30分で5〜6回来たり…もうこのまま心臓が止まって死んじゃうんじゃないかって思って…。

実際に厨房で再現してくれた

趣味のテニスをしている時も症状が出ました。練習を中断して一旦休むんですけど、治った…と思ってもまたすぐにバクン!ってくるんです。

不整脈は目には見えないので、周りのテニス仲間にはつらいことがわかってもらえなかったですね。

┃常に心臓を気にする生活

だんだんと日常生活のちょっとしたことまで心臓に気を遣って過ごさないといけなくなりました。

銭湯でも、心臓に負担がかからないように、片足からゆっくり湯船に浸かるようにしたり…。大好きなサウナも、水風呂が怖くてしばらく入れませんでしたね。

とにかく一人でいることが不安で、外出する時はいつでも助けてもらえるように、なるべく人の多い道を歩いたり、歩きながらAED(自動体外式除細動器)が近くにあるか確認したりしてました。