小林誠教授

国立大学法人 山口大学 小林 誠 名誉教授
1980年九州大学医学部卒業後、同大学循環器内科入局。米国医師国家試験(ECFMG)にも合格。1985年に世界で初めて、カルシウムイオンの測定に成功する。その後渡米し、ペンシルベニア大学、バージニア大学、九州大学の助教授を経て、1996年より山口大学で教授職を務める。
2021年4月から山口大学医学部の先進予防医学講座の特命教授を務める。
世界に先駆けて、血管病による突然死の主因となる「血管の異常収縮」の原因分子を発見し、そのメカニズムも解明。さらに特殊な立体構造のEPAによる阻害効果も発見。現在も『血管病の撲滅』を掲げ、日々研究を続けている。

なぎら健壱さん

【レポーター】
フォークシンガー なぎら健壱 さん

1952年、東京銀座(旧・木挽町)に生まれる。以来下町で育つ。
フォークシンガー、俳優、エッセイスト、写真家など多才なマルチタレントとして忙しい毎日を送っているが、いよいよ高齢者と呼ばれる年齢に。健康面は「完璧な健康体です!」と言いたいところだが、いろいろ検査すると生活習慣病の予備軍であるといわれる数値が高かったりする。夜布団にはいるとドキドキしたりして、まずいなと思うことがある。

あなたの悩みの原因。実は血管に異常な現象が起きていた!?

突然ですが、あなたは胸の痛み、動悸、頭痛、めまいなどに悩んではいませんか?もしかしたらその悩みは、あなたの血管で起きている異常な現象が原因かもしれません。今日はその謎について、詳しくお話ししていきます。

誰の血管でも起こる可能性のある異常な現象。これを血管の異常収縮と言い、突然血管が痙攣(けいれん)するようにして縮み、血液の流れに障害をきたす状態のことを指します。

※血管の異常収縮は、正式な病名では「血管攣縮(スパズム)」と言います。
前触れもなく突然血管が縮んで、血流を滞らせてしまう異常な収縮
前触れもなく突然血管が縮んで、血流を滞らせてしまう異常な収縮

突然健康な血管を異常に収縮させてしまうことから、大変に恐れられている存在で、動悸、胸の痛み、頭痛、めまい、しびれといった日常で起こる症状だけでなく、脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な病気の引き金になることも。

そしてこの血管の異常収縮の最大の問題は、「どのようにして起こるのか原因不明だった」ことにありました。

世界初の解明を成し遂げたのは、日本人の医師だった!?

長年、医学界で原因不明の難病と恐れられてきた血管の異常収縮。この原因を解明しようと世界中の研究者が力を注いでいましたが、思うような結果は出ていませんでした。
もちろん医療の現場では、幾度となく血管の異常収縮による理不尽な死が起きていました。

その救えない悔しさと無力さが積み重なり、「血管病を撲滅したい」と研究の道に進んだ循環器内科医師の日本人がいます。それが山口大学の 「小林誠名誉教授」。

15年もの歳月をかけ研究を続けた結果、ついに世界で初めて「血管の異常収縮のメカニズムを解明」しました。その後もいくつもの世界初の発見を成し遂げ、血管病研究において、常に世界のトップクラスを走り続ける小林教授とその研究チーム。
研究成果は、世界トップクラスの医学雑誌が特別に絶賛するなど、医学界から非常に高い評価を受けました。

そんな小林教授に、フォークシンガーのなぎら健壱さんが鋭く迫ります。

小林誠教授となぎら健壱さん