「EPAならなんでもいい」ではなかった!?

なぎら

あの健康成分で知られる有名なEPAに異常収縮を抑制する作用が?

小林

正直、私も食品成分に偏見がありました。そもそもSPCという物質は脂質ですから、異常収縮を抑制できる物質もおそらく脂質だろうと、薬品の成分を徹底的に調べてみました。
そんなとき、食品成分のEPAもたしかに候補に挙がったんですが、まさか血管の異常収縮を抑えるような、そんな大それたことをするはずがないと思って、当初は研究対象から外していたんです。
ところが、どの薬品成分を使ってもどれも結果に結びつかなかったものですから、じゃあEPAも試してみようと思ってやってみたところ、これがなんと、血管の異常収縮を劇的に抑えたのです。ちなみに、これも世界初の発見となりました。

なぎら

本当にすごいですね。メカニズムの解明だけでもすごいのに、その抑制方法まで見つけて。どれだけの人の救いになったことかわかりませんね。つまり、血管の異常収縮が関わる動悸や狭心症などに対してとにかくEPAを摂取すればいいってことなんですね?

小林

いえ。実はですね、研究を進めていくとEPAならなんでもいいというわけではないということがわかったんです。

小林誠教授のテロップ。効くEPAと効かないEPAがある!

なぎら

え? EPAってひとつの成分の名前ですよね?あまたあるその辺のEPAって全部一緒じゃないんですか??

小林

違うんです。

なぎら

違う?

なぎら健壱さん

小林

実は、血管の異常収縮に「効くEPA」「効かないEPA」があることがわかりました。「効くEPA」とは生の青魚に含まれるものと同じ立体構造を保ったEPAだったんです。
ところが、EPAは加熱などの精製処理によって、立体構造が変化してしまうと、血管の異常収縮を抑制する効果が激減してしまうんです。

EPAの立体構造が崩れてしまう

なぎら

ほお~なるほど。立体構造の形が大事なんですね。

なぎら健壱さん

小林

そこで、精製方法から見直すことで、生の青魚と同じ立体構造を保ったままのEPAの開発に成功しました。それが小林式EPAです。我々の研究室でちゃんと異常収縮を抑えたという確認をとったもののみ「小林式EPA」ということにしているんです。
この成果は、血管病予防に効果を有する食品組成物として山口大学が特許を取得しています。

小林式EPAが異常収縮を劇的に抑制!

小林

なぎらさんに見ていただきたい実験があります。豚の心臓の血管にSPCを投与し、異常収縮させました。そのあとに小林式EPAを入れるとどうなるか。

血管の異常収縮に小林式EPAを加えた実験
血管の異常収縮に小林式EPAを加えた実験
血管の異常収縮実験
小林誠教授
一見、これしか縮まないのかと思われるかもしれませんが、この測定機の金具部分は通常の実験では目に見えるほど動きません。それがここまで動くということは尋常でない力が働いていると理解してください。

なぎら

ホントだ。EPAを投与した途端に、急激に抑えられてるのことがわかりますね。

小林誠教授となぎら健壱さんの実験の様子

小林

さらに、食品である最大の利点は、病気になる前に予防できる点です。病気になったではなくて、病気になるに治療したいと思ったので。だれでも突然起きてしまう血管病の場合はとくにですよね。
救急車で運ばれて、それから治療をすると、やっぱり手遅れになる。「いま異常収縮を起こした」という診断がつかないと病院は処方できないんです。

なぎら

なるほど!事前に飲める食品だから予防できるということですね。ほぉほぉ、よくわかります!

小林

また、EPAは正常な収縮には一切影響ありません。収縮を抑制すると聞くと血圧が下がってしまうのではと心配される方もいらっしゃいますが、血圧を下げ過ぎることは絶対にないんです。

なぎら

正常な収縮には影響せず、異常な収縮のみを抑える。まさに理想的じゃないですか!