「激痛・嘔吐に苦しむも、さぼってると思われ」
宮﨑大輔、小学生からの片頭痛を告白

ハンドボール/アースフレンズ BM 監督兼選手 宮﨑大輔

ハンドボール元日本代表で、現在もアースフレンズBMの監督兼選手として活動を続けている宮﨑大輔さん。明るくスポーツ万能なイメージだが、ハンドボールを始めた小学生の頃から、重度の「片頭痛」に悩み続けていることはあまり知られていないだろう。

「今は片頭痛の回数がかなり減って、安心して過ごせるようになった」と笑顔で話す宮﨑さん。今回は、20年以上にも渡る”片頭痛”の経験を、ご本人に加え、傍で支えていたお母さんにも当時を語ってもらった。

1. 原因が分からず激痛と嘔吐。
辛さを説明しても理解されず。

15歳以上の日本人を対象とした調査では約4割が「頭痛持ち」と言われており、「国民病」ともいえるほど、頭痛は身近な症状だ。目に見えない痛みかつ、日常生活に支障が大きいため悩んでいる方が多いとされている。

「小学生のころ、片頭痛が起きると、保健室によく行ってたんですよ。だけど熱を測っても熱はない、何しに来てるの?って。昔は気合いだ!根性だ!という世界なので、授業も練習もさぼっているって言われてましたね。片頭痛は説明しても分かってもらえない苦しさがあって、本当に大変でした」

ハンドボール全国大会に出場した宮﨑さん(小学6年) ハンドボールに出会ったのは小学3年の頃だったという。

ー具体的にどんな症状だったのか、本人に聞いてみた。ー

「痛みの前兆として、目の前にチカチカした点が出てくるんですよ。それが徐々に大きくなって、1時間ぐらい続くと片方の視野が完全に見えなくなって…。チカチカした点が全部なくなると、次にスゴイ頭痛がくるんです。ズキンズキンと。だいたい、ここまでで6時間とかですかね」

痛すぎて、気絶したような感覚に陥るという。

そこから頭が痛すぎて嘔吐して、先生がようやく『大丈夫か?家に帰ったほうがいいね』っていう。当時は週に1~3回のときもあれば、1日に2回出るときもあって。この症状が何なのか、病気なのかすら分からなかったんです。

小学生の頃の宮﨑さんについて、お母さんはこう話す。

「大輔は小さい頃からお腹が空かないと家に帰って来ないような、超がつくくらいの元気な子供でした。だから、先生やまわりの人には頭痛の苦しみを信じてもらえなかったみたい」

「学校から連絡があって迎えにいったときには、すでに真っ青な顔つきで、辛そうにチカチカが出たと座り込むほど。あんなに弱々しい息子初めてでした。

病院に連れて行っても原因不明で、私たちがしてあげられることは、休ませてあげるくらいしかできなかった…」

実際に、答えがでるまで検査を繰り返した。と宮﨑さん自身も話している。

「検査は全部やりました。CT、MRI、脳、どれも異常なしです。小・中・高・大になっても全部撮りました。
でも病院から返ってくる診断書には原因不明としか出なくて…。

今となっては『血管性片頭痛』っていう病気だって分かったんですけど…」

原因不明の悩みと戦い続けた学生時代 大学1年時の写真

10年以上に渡って原因不明の症状に苦しんだ宮﨑さん。大学2年時の全日本(インカレ)に入った際、紹介してもらった脳外科で、ようやく「血管性片頭痛」と判明されたのだった。

血管性片頭痛っていうのは、血管の収縮の問題。いつ起きるかは分からないし対処するにも薬しかない。ただ、薬によって効く効かないがあるから、大学の頃はいろんな薬を試した」

片頭痛とはズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、周期的に起こる。前触れの症状があり、時に脳卒中のリスクとなりうることが知られているため、注意が必要だ。

しかし、宮﨑さんのように、医療機関を受診したのに長年原因不明と言われ続け、周囲に理解されないまま苦しむ人も多い。