2. 運転中の片頭痛。
身の危険を感じ停車。
血管性片頭痛という重度の悩みを抱えながらも、桁外れの身体能力で数々の成績を残してきた宮﨑さん。高校ではインターハイで2年連続得点王、その後は日本体育大学に進学しスペイン留学の末、実業団でプロ選手の道へ。
海外へ行くことも増えたが、片頭痛の悩みが常に付きまとい、社会人になってもサボっているのではないかと信じてもらえなかった。
年齢を重ねるにつれて、片頭痛の回数は徐々に減っていくと言われていたが、プロの道に進んでも減ることはなく、本当に改善しているのかと心配になっていたと話す。
「片頭痛によって片方の視界が見えなくなると、当然ボールが取れないんですよ。
薬に関しては、ドーピングが厳しいから、飲めないものが多くて。種類によっては鎮痛薬も効き目が悪かったり、量を多く飲まなきゃいけなかったり…。当時は楽になりたい気持ちもあって、先生にも止められるくらい危険な量を飲んでましたね」
当然、日常生活でも片頭痛がつきまとい、孤独とストレスだらけだったという。
「車の運転中に片頭痛が起きたら、もう最悪。運転できないんで停車。車の中で6時間くらいずっと寝てた時もあって。症状がひどい人は気絶することもあるみたいで、僕の知り合いは、免許取り消し」
「新幹線などの移動も大変ですね。遠征などの時はみんなと別々に移動。1本遅らせて帰ったり。痛みが落ち着かないと乗れないんで、泊まるのか、時間を見て落ち着いたら帰る。乗り物酔いもひどくて。目の見える位置が変わってくるんで平衡感覚なくなるんですよ」
「食事の際には、最初に説明します。片頭痛が起きてしまったときはごめんねって。みんなで食事している時に起こると、すごく嫌で。あとで聞くんですよ、楽しそうな話を」